【 ムファンガノ発!! 】~HIV感染テストの受診者促進・予防のための放課後授業を実施するためのクラウドファンディング 始動!!~

ケニアの中でも特にHIV感染率の高いムファンガノ島で、特に若者(13-30歳)をHIVの脅威から守るために企画されました。プロジェクトの目的として、以下の2つを掲げています。

①ムファンガノ島における若者のHIV感染拡大を防ぐ
②早期妊娠・性感染症による退学生徒数を減らす

この2つの目標を達成するために、以下のプロジェクトを準備しました。

①初等・中等学校2校ずつを対象校としてHIVや性感染症、性と生殖に関する健康と権利(*Reproductive Health Rights)などの授業を放課後に行う
②パートナーのケビンが運営しているプレステ・インターネットカフェにHIVテスト診療カードを導入することで、陽性だと判明した人が適切なHIV治療を受けることができる搬送システムを構築する

というものです。

今回のクラウドファンディングは、以下の2つを目的としています。

  • ①放課後授業講師の給料のための資金調達
  • ②ケビンの運営するプレステ・インターネットカフェの拡大まず、ケビンを含めた保健分野のソーシャルワーカーの方々への給料が必要です。加えて、プレステ・インターネットカフェの拡大のための設備費用が必要です。
  • 現状運営しているままのプレステ・インターネットカフェの設備では集まる人の数にも限界があるため、より充実した設備を整え、多くの人に来てもらい、HIVテストを受ける人を増やすためにお金を使おうと考えています。
  • 最終的には、プレステ・インターネットカフェで得た利益を施設の維持費・講師への給料へ回し、持続的に事業を回していくことを目標としています。
  • ムファンガノ島は、アフリカ最大の湖・ビクトリア湖に浮かぶ大きさ約69㎢ほどの島です。人口統計は見る資料によってバラツキがありますが、26,000人程度の人口規模にあります。島の主な産業は漁業・農業から成り立っています。島民の多くが漁師であり、ビクトリア湖での漁業は「ダーウィンの悪夢」という映画の題材にもなっています。ナイルパーチやティラピアといった魚が島ではよく売りに出されています。

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、体内の免疫細胞に感染し、免疫不全を引き起こすウイルスです。HIVが引き起こした免疫不全によって発症する病気をAIDS(後天性免疫不全症候群)と呼びます。日本語だとエイズと一括りにしてしまいがちですが、HIVはウイルス、AIDSはHIVによって発症した疾患を指します。

マラリア・結核と並んで世界三大感染症に数えられるHIV/AIDSは、2005年にはおよそ195万人もの命を奪いました。それをピークに死亡者数は減少しつつありますが、2017年時点でいまだ約95万人もの人々が世界でHIV/AIDSにより命を落としています。

死亡者数こそ減少傾向にあるものの、HIV/AIDSは依然として世界全体で取り組むべき課題の一つです。持続可能な開発目標のゴール3「すべての人に健康と福祉を」では、HIV/AIDSが根絶すべき感染症として指定されています。

  • 2018年のデータでは、ここケニアでHIVとともに生きる人々はおよそ150万人おり、28,200人の人々がAIDSによって亡くなりました。(Ministry of Health, Kenya “KENYA HIV RESPONCE PROGRESS REPORT 2018.) 中でも、僕が生活するムファンガノ島におけるHIVの感染率は、非常に高い数字を記録しています。島でHIV/AIDSの活動を行う団体によれば、島内のHIV感染率は30%と報告されており、単純計算で26000人中の7800人がHIVに感染していることになります。

ケニアに限らず、ビクトリア湖沿岸地域は全体的にHIV感染率が高いです。それはなぜかというと、

①漁師が出ていった先で買春を行い、不特定多数と性的関係を持つ

②魚の値段交渉のために性行為を行う習慣がある

の2つが主な理由です。

漁師という職業は世界的に見てもHIV感染リスクの高い職業であることが知られています。遠洋漁業に伴って職業柄移動する距離が長くなり、滞在先で性的関係を持つことや、家庭という場を長期間離れることにより、不特定多数の相手と性的関係を持つといった要因がHIV感染率を高めてしまっています。

それに加えて、ここビクトリア湖沿岸部ではSex for fishと呼ばれる習慣が根付いており、それがHIV感染率を高めてしまっています。Sex for fishとは文字通り「魚のための性交渉」であり、魚も購入できないほどに貧しい女性が体を通貨として魚を取引することを指します。漁師という職業は比較的所得を得やすい職業であるのに対し、消費者の中には魚の購入すらできないほど貧しい層の人々がいるため、

お金に代替するもので取引をしても問題のない漁師

お金がないため体を使って取引をせざるを得ない消費者

という図式が成立してしまっています。

漁場に性交渉のための部屋が用意されているケースも報告されており、漁業コミュニティの中でSex for Fishが浸透していることがわかります。僕自身も、お酒の席で

「魚をあげるからその代わりに慰めてくれないか」

と漁師の男性に言われたことがあり、この身をもって問題の深さを感じました。
(この時は逃げたので事なきを得ました。)

  • その証拠に、ケニアのカウンティ(行政地区)別のHIV感染率を見てみても、ビクトリア湖沿いは感染率が高いです。マップ上の赤色の地域は国内でもHIV感染率が「かなり高い」ことを示していますが、ビクトリア湖沿岸地域のみが赤く染まっています。
  • ムファンガノ島が所属するHomabayは、カウンティ別感染率で2位にランクインしており、感染率は20.7%と国内平均の4倍近く、非常に高い数字を示しています。
  • HIV/AIDSを防ぐために重要なポイントは2あります。1つは、HIVに感染したとしても、適切な治療を受けられる状態にあること。「HIVは一度感染すれば人生の終わり」と思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。適切な方法で投薬を継続すれば、体内のHIV量を抑えることができます。体内のHIV量を抑えることができれば、HIVに感染していない人と性交渉をしたとしても感染を拡大させてしまうことはありませんし、HIV量が抑え込まれ、免疫が正常に機能していればAIDSを発症することもありません。
    つまり、ステータス(陽性か陰性か)を明らかにし、患者に継続的な治療を受けてもらえれば、HIVは死の宣告ではなくなります。
  • もう一つは、HIVを未然に防ぐために十分な知識を身に付けていること。性行為に関するリスクを十分理解し、そのリスクを防ぐための行動をとれる状態になっていることが重要です。
  • 私たちは、この
  • ①予防
  • ②テスト・フォローアップを促す
  • の2つの手段を島民へ届けるためのプロジェクトを、このクラウドファンディングを通じて実行します。そのために、ケニア・ムファンガノ島でHIV/AIDSと戦うため2つの計画を準備しました。一つは、初等・中等学校に対してHIV/AIDS・性教育の授業を行い、HIV感染を予防すること。もう一つは、既存のプレステ・インターネットカフェにHIV定期テストカードシステムを組み込むことで住民のHIV早期発見を促すことです。
  • HIV/AIDSを予防するために、島内の初等・中等学校2校ずつ、700人程度を対象とした放課後授業を行います。通常の学校の授業ではカバーできないHIV/AIDSを含めた性感染症や性と生殖に関する権利、家族計画といった内容に関する授業を行います。HIV感染を水際で防ぐためには、感染発見を促すテストのみでなく、HIVを予防できるだけの十分な知識を得て、HIV感染を根本的に解決することが重要です。HIV/AIDSソーシャルワークの経験豊富なケビン主導で現在、授業のためのカリキュラム作成が進行しています。クラウドファンディングのお金は、ケビンを含めたソーシャルワーカーへの給料・その他授業のために必要な資材費として使う予定です。HIVテスト・フォローアップを促すために、僕の現地パートナーのケビンが運営しているプレイステーションやパソコンを使える場所にHIVテストの診察カードを導入し、利用者がHIVテストを必ず受けなければならないシステムを構築します。具体的には、地元の診療所・病院と提携し、HIVテストの診察券を作成、その提示をプレステ・インターネットカフェの利用条件とします。

    これによって利用者のHIVテスト受診率を増やし、もし陽性であれば島内のHIV感染者の搬送システムに沿って、無料でHIV治療を受けることができます。

    また、HIV早期発見のためには定期的にテストを受けることも重要です。私たちは診察券に最後にテストを受けた日の記載欄を設け、3か月ごとの定期的なHIVテストを利用者が受けられるようにします。現在もケビンがプレステ・インターネットカフェを運営していますが、規模の小ささ、テレビなど機器の故障といった問題があり利用者が限られています。設備を充実させ、より多くの人々にリーチするために、クラウドファンディングでのお金を使う予定です。

また、僕がこれからお金を引っ張ってこなくても、自力で事業を持続的に進められるように、
プレステ・インターネットカフェの売り上げを講師の給料として回すことを目標としています。

 

以下CAMPFIRE公式サイトよりプロジェクトの概要をご覧いただけます。

応援よろしくお願いいたします。

https://camp-fire.jp/projects/view/221387

本プロジェクト主導者

静岡県立大学国際関係学部4年 熊谷拓己

https://twitter.com/nakano235_tk

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